口腔外科とは、お口の中、顎、顔面などに現れる先天性、および後天性の病気を診断・治療する診療科です。
当院の口腔外科では、親知らずの抜歯のほか、様々なお口トラブルの治療を行っております。
親知らずや永久歯などが顎の骨に埋まったままうまく生えてこないと(埋伏歯)、それが原因となって歯茎に炎症が起こったりします。
また、虫歯や歯周病が原因で歯茎に膿が溜まり、腫れてくることがあります。
お口や舌などには、腫瘍や水ぶくれのようなできもの(嚢胞)が生じることがあります。
交通事故やアクシデントなどで、顎の骨が骨折した場合や、歯が欠けてしまった場合、また口の中の切り傷なども口腔外科の対象となります。
普通に生えていて、普通に噛めている親知らずなら、無理に抜く必要はありません。ただし、親知らずは適切な位置に生えてくることが少なく、横に生えたり、生え切らなかったりするケースがほとんどです。そのため腫れをきたしたり、メンテナンスがしにくかったりすることから、隣の歯までが虫歯になることもよくあり、何かとトラブルの原因になりがちです。そのような親知らずは、抜いてしまったほうが得策と考えます。
親知らずが気になったら、まずはお気軽にご相談ください。
埋伏歯とは、骨または粘膜の中に埋もれて出てこない歯のことです。
埋伏歯は、その埋伏の状態によって「完全埋伏歯」(骨の中に完全に埋まっている)、「不完全埋伏歯」(歯の一部分が見えている)、「水平埋伏歯」(親知らずが真横を向いて埋まっている)の三種類に分けられます。
こうした埋伏歯の原因の多くは、歯が生え出すスペースが足りないことです。
埋伏歯があると、歯が押されて歯並びが悪くなったり、永久歯が生えてこられなかったり、嚢胞の原因になったりします。また、親知らずが不完全埋伏歯の場合には、親知らず周囲の歯茎が炎症を起こすケース(智歯周囲炎)がよく見られます。
埋伏歯がある場合には、問題が無ければそのままにすることもありますが、歯を覆っている骨を削って埋伏歯が生えてくるように誘導したり(開窓療法)、矯正的に埋伏歯を牽引して引っ張り出したりするケースもあります。
親知らずが埋伏している場合には、抜歯となることが多く、その際には骨を削る簡単な手術が必要になるケースもあります。
顎関節症は、顎を動かした時に痛みが走ったり、口を開けたり閉じたりした時に関節部がポキッと鳴る、などの症状が見られる症候群で、20~30代の若い女性に多く見受けられます。
主に、以下のような症状が現れます。
――以上のほかにも、顎の周辺だけでなく、首や肩、腰をはじめ、全身のいろいろな部分に多様な症状が現れることがあります(逆に、顎の周辺に異常があるからと言っても、顎関節症とは限りません)。
原因としては、食いしばり、歯ぎしり、外傷、精神的ストレス、左右いずれか片側の口でばかり噛む習慣などのほか、様々な要因が絡み合っていると考えられ、原因もタイプもいろいろです。
治療法には、以下のような方法があります。
――以上のように、いろいろな治療法がありますが、重症化すると、外科手術が必要になるケースもあります。
当院では多方面にわたる検査を行い、その結果を総合的に照らし合わせた上で、個々の患者様にとって、最もふさわしい治療法をご提案いたします。
何かにぶつけて口をケガしてしまった時は、早めにご来院ください。唇や粘膜が切れてしまった場合は、そこから病原微生物に感染する恐れがありますので、早めの処置が必要です。また、ぶつけて歯が抜けてしまったような場合や、グラついていた歯が抜けてしまったような場合も、すぐにご来院いただければ、早急の処置により歯を残せる可能性があります。抜けてしまった歯は、軽く水洗いして(根元を強くこすらないように注意してください)、ご来院までの間、何らかの容器に牛乳を注ぎ、抜けた歯をその中に入れてご持参ください。
歯牙移植とは、虫歯が進行して残せなくなった歯があり、しかも自分の口の中に親知らずや、埋まっている歯があるような場合に、残せなくなった歯を抜いて、その代わりに親知らずなどを移植する治療法のことです。言わば「歯のお引越し」です。
なお、条件を満たせば、健康保険を使った治療が可能です(保存できない歯を抜いた日と同日に、親知らずや埋まっている歯を移植した場合)。
また、歯牙再植とは、根尖(歯根の先端部分)に膿の袋ができて通常の根管治療(根っこの治療)では治せないような場合に、いったん抜歯して根尖の治療を施してから、再び元の位置に戻す治療です。